こんにちは。 春日部デンタルクリニックです。

6月14日は「認知症予防の日」です。日本認知症予防学会が、認知症予防の大切さを伝えることを目的に制定しました。日付は、認知症の原因といわれているアルツハイマー病を発見したドイツの医学者アルツハイマー博士の誕生日（1864年6月14日）にちなんでいます。

ところで皆さまは、認知症の発症に歯周病が関連していることをご存じでしょうか？
最近の研究では認知症と歯周病の関係について、さまざまなことが明らかになってきました。
今回は「認知症と歯周病の関係性」についてお話しします。

アルツハイマー型認知症の原因

認知症のうち65%以上を占めるアルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβという異常なたんぱく質が蓄積されることによって発症するといわれています。
通常、アミロイドβは分解されて排出されるのですが、排出されずに蓄積してしまうと脳の情報伝達が悪くなり、記憶力をはじめ判断力や理解力など脳の認知機能が低下してしまいます。
そのため、認知症を防ぐためにはアミロイドβの蓄積を防ぐ必要があり、この対策として、良質な睡眠をとることや有酸素運動をすることなどが効果的であるといわれています。

アルツハイマー型認知症と歯周病の関係性

九州大学などの研究チームがマウスを使って研究したところ、歯周病菌がアルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβを産生したり、蓄積を促進させることがわかってきました。
アミロイドβがなぜ排出されず脳に蓄積してしまうのかは、まだ明確にはわかっていません。しかし、歯周病を治療したり予防したりすることで、アミロイドβを排出し、アルツハイマー型認知症を予防できる可能性があります。

歯を失うと認知症のリスクが高くなる

50歳以上の方の約8割がかかっているといわれている「歯周病」は、初期の頃には自覚症状もなく進行し、歯を失う原因のひとつとなる病気です。
65歳以上を対象に認知機能と歯の本数の関係について調査した報告で、歯がほとんどないグループは、歯が20本以上残っているグループに比べて認知症になるリスクが1.9倍と高くなる結果だったそうです。

歯周病を予防するために

歯周病を予防するためには、正しい歯みがきと歯間ブラシやデンタルフロスなどのデンタルケアグッズも使用し、歯垢を残さないよう除去することが重要です。
また、よく噛んで食べることは唾液の分泌を促すことにつながります。唾液には自浄作用があるため、歯垢を洗い流し、歯周病のリスクを軽減させます。
よく噛むことは脳を刺激し、認知機能を維持するための重要な役割も果たしています。

まとめ

歯周病により歯を失い、食べ物を噛めなくなってしまうは認知症のリスクを高める原因となり、そのため歯を失った箇所は入れ歯を使用するなど、しっかりと噛めるようにすることが大切です。
さらに、定期的に歯科検診を受けることで口腔内の健康を保つことができ、これにより歯周病を予防することができるため、結果として認知症予防につながります。
当院ではご自身で歯科医院への通院が困難な方の訪問歯科診療も行なっていますので、お困りの方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください 。